ベルビア(Velvia)はプロビア(Provia)と並び、富士フィルムの定番ポジフィルム(リバーサル)として使用されてきました。
硬調で彩度が高い特徴から、風景や自然を対象とした写真撮影ではかなり重宝されてきたフィルムです。
ベルビア(Velvia 100)の特徴
描写は硬く彩度は高いです。彩度はプロビアと比べるとやや高い程度かなと思いますが、硬調なので色やコントラストが強調されます。
間違っても日本人のポートレートなんかには向かない描写で、プロビアがラティチュードがそれなりに広く、レンズや露出である程度柔らかい描写にコントロールできるのに対し、ベルビアはあくまでベルビアといった写りをするフィルムです。
ベルビア(Velvia 100)の作例
レンズ:Ai-s Nikkor 28mm
ボリビアのカーニバル。余談ですが日本人にとってカーニバル=リオ(ブラジル)だと思いますが、南米各地でカーニバルは開催されています。ボリビアのオルーロという街で行われるカーニバルは南米3大カーニバルのひとつ。
レンズは広角28mmのニッコールということもあり、ナチュラルでコントラストはやや低めのものですが、パリッとした描写で色ノリも良いです。
レンズ:Ai-s Nikkor 28mm
同じくボリビアのオルーロのカーニバル。
レンズ:Ai-s Nikkor 28mm
ネパールのヒマラヤトレッキング中のひとコマ。赤が強いですね。山暮らしで日焼けしたネパールの方ですが、こんなに赤いということはありません。
レンズ:Ai-s Nikkor 28mm
同じくネパールのトレッキング中。影の描写が深いですね。
壁の描写などニッコールレンズの解像度侮れません。
レンズ:Ai-s Nikkor 28mm
同じくです。結構きつい逆光でハレーションを起こしていますが、まずまず上手に写してくれています。
露出オーバー部分は流石に若干柔らかい描写になりますね。
レンズ:Ai Micro Nikkor 55mm F2.8
グアテマラのアティトラン湖。レンズがマイクロニッコールなので、カリっとしてクリア感がある描写。かなり硬いです。
レンズ:MF ZOOM NIKKOR 35-70mm
沖縄の座間味島。レンズはカメラキットのものなのでユルイ描写なのですが、硬いですね。
海のブルーの鮮やかさが際立つ1枚です。
作例から見える特徴
レンズの特色を抑えてしまうほど、「ベルビアはあくまでベルビア」な描写です。
風景なので絞りは露光の条件が許す限りF.8ぐらいで撮るようにしていたので、開放で撮ればもちろんもう少し柔らかい描写をします。
ただここには掲載できないのですが、ポートレートをベルビアを使って撮影したことがあります。絞り開放~1段絞って撮影をしましたが、柔らかさの中にも硬さが見られ、かつ彩度が高い描写でした。
テスト撮影だったので物は試しに使ってみましたが、ナチュラルとはほど遠く、とりあえずベルビアは特徴的な写真を撮る時用だなと思いました。
作例でベルビアを使っているのは、「ベルビアを使うシーンがあるかな」という期待でフィルムを持って行き、他のフィルムがなくなってしまったので、ベルビアを使っただけなんです。
個人的な好みでいうと、景色撮影にも使いずらく、ベルビアで表現したい何かが見つかればもう1度使ってみたいフィルムです。