僕が愛用しているRicho GR1sと、同じレンズを搭載したGR10も含めた作例です。
別記事でこのカメラの特徴を書きましたが、ここでは作例を元にGR1の良さや苦手な点、設定による描写の違いなどを解説していきます。
GR1の作例 ネガフィルム<PORTRA(ポートラ)400/160)>
ネガフィルムは基本的にコダックのポートラ400か160を使っています。
タイ バンコクの通り。PORTRA160を詰めていたと思うので、絞りはF4ぐらいで撮っていると思います。ハッとして、ポケットからカメラ取り出したので、こういう速射に強いのはGR1ならではです。
またこういう明るい状況でのキレの描写や、Contaxなどに比べて影が薄いのもGRの特徴です。
ミャンマー ヤンゴンの工事現場。気持ち手振れしているかもしれません。この時はPORTA400を使っていたので、絞りはF8~11ぐらいではないでしょうか。
GRは絞るとちょっと緩めの描写になります。特に対象物との距離があると尚更その傾向が増します。
また光線がかなり強かったので、その影響もあって緩い描写になっていると思います。
タイとラオスの国境近くにあるワットケーク。曇り空なので、落ち着いたトーンですね。
曇りでもこれぐらい光がある日中であれば、解像度もそれなりに出ます。
タイ バンコクの果物市場。F5.6か8で撮影したと思います。フォーカスする対象物が近いこともあり、画像の奥までまずまずの解像度です。
奥が結構暗いのですが、GRらしいナチュラルなトーンで切り取ってくれています。
上のスイカのアップです。スイカの繊維感まで描写しています。これぐらい寄るとそこそこボケます。F4かF5.6ぐらいだと思います。
ミャンマーのパガン。ちょっとキレには欠けますが、衣装の色が鮮やかです。
タイ-ラオス国境のメコン川。夕日が沈む頃です。
雲が多い空や川面など難しい状況を、上手く表現していると思います。結構暗かったので、絞りはF2.8か4だったと思います。
GR1の作例 ポジフィルム <PROVIA(プロビア)>
フジフィルムのPROVIA100を+1増感して現像しています。GR1側の設定は+1/2。
つまりISO200のフィルムを-1/2設定で撮影していることになります。ポジフィルムはオーバーの露出に弱いので、-1/2が妥当な設定かなと思います。
インドのデリーからレーに向かう飛行機から撮影。窓越しですが、きれいに描写しています。
レーの高台から映した風景。曇り空ですが、薄くて明るい光線が降り注いでいる状態なのと、F8ぐらいまで絞ったのでクリア感には欠けます。
コントラストが穏やかな、ネガっぽい写りになってしまいました。ここら辺はコンパクトカメラの限界かなと思います。
レーにあるチベット寺院。ちょっと手振れしています。
空の青が凄いですが、ヒマラヤ山脈の近く標高は3000メートルを超えるので、空はこれよりもっと青いんです。
建物はもっとアンダーだったんですが、空を飛ばさないように考えて、オーバー目に撮ろうとして結果手振れしてしまいました。
南インドのレストラン。絞りは開放のF2.8で撮影していますが、それなりの解像度で撮影できています。
デリーのレストラン街。絞りは開放のF2.8。
GR1はネガだと粒状間が強く出てしまいがちですが、流石ポジフィルムはアンダーに強いです。
GR1の描写の特徴
色味
作例の通り、Contaxなどの高級コンパクトカメラに比べると控えめですが、鮮やかでいて繊細です。
メイン機がニコンなら描写が近いので、サブカメラとしての相性が良いと思います。
解像度
Contax T3などには及びませんが、しっかりとした解像度です。線は細いですが味わいがあり、上品な印象です。
但し、GR1は絞りがF8を超えると描写がやや眠たくなりますので、GRレンズの特徴を活かすのであればF4、F5.6を積極的に使えるようにするのが良いです。
そのためフィルムのISO選びは重要です。晴れのシチュエーションがメインになる場合は、ISO160~200をオススメします。
露出精度
ポジフィルム(リバーサル)でも安心して使えます(-1/2の設定でややオーバーぐらい)。
露出モードが中央重点と平均測光になりますが、その差は少ないです。極端なシチュエーション以外では、同じ露出になることが多いです。
そのため中央重点(被写体優先)の方が安定して使い易いかなと思います。