ドラムスキャナーの圧倒的な表現力!ハッセルのスキャナーで代用も

その金額の高さもあり、フィルムユーザーにも浸透が浅い「ドラムスキャナー」

僕もたまたまスキャンを依頼したラボさんが、ドラムスキャナーを使っていたことで偶然知ったのですが、データを見た時にはハッとさせられました。

価格が高いので誰にでも薦められるものではありませんが、ひとつの選択肢としてもっておくと撮影後のプロセスが変わるかもしれませんので、紹介させてもらいます。

ドラムスキャナーとは

まず「ドラムスキャナーとは何ぞや?」というところで、堀内カラーさんの説明を抜粋します。

ネガフィルムやポジフィルムなどの原版を巻き付けて画像を読み取るドラム式なので、平滑性が高く、ピントのずれが抑えられます。
フィルムの周囲を枠にはさみ込んで読み取るスキャナーでは、どうしてもフィルムに歪みが生じてピントに影響を及ぼしてしまいますが、その心配がないドラム式は高精細画像のデータ化に最適です。

https://scanning.horiuchi-color.co.jp/equipment/drum/index.html

つまりフィルムの平滑性が保て、ピントがばっちり合うということ。

更にいうと、金額からしてもプロユースなので、機器の性能が高いということが挙げられます。

ドラムスキャナーのデータ取込価格

見るからに機器自体が高額なので、もちろん価格も高いです。

堀内カラーさんは見積もり式なので不明ですが、別のスタジオの価格を参考にすると、A3サイズのプリントデータで「1コマ10,000円」。趣味で写真を撮っている方には、中々厳しい価格です。

http://studio-oto.com/kakaku/kakakudrum.html

ただこれぞという1枚なら、この価格を払ってでもスキャンする価値はあると思います。

下記作例を載せますが、圧縮した画像をWEB上で見ても差があるので、プリントした時の差はもっと大きいと思います。

ドラムスキャナー VS NIKON LS-5000ED 作例

僕がドラムスキャンしてもらったのはタイ バンコクのプロラボ「IQ LAB」

2009年にスキャンしてもらったのですが、どんなドラムスキャナーを使用していたかは不明です。

比較機種はニコンの民生機としては上位の「LS-5000ED」です。

(ドラムスキャナー)カメラ:Contax TVS/フィルム:FUJI PRO400

(NIKON LS-5000ED)

(ドラムスキャナー)カメラ:Contax TVS/フィルム:FUJI PRO400

(NIKON LS-5000ED)

(ドラムスキャナー)カメラ:Contax TVS/フィルム:FUJI PRO400

(NIKON LS-5000ED)

(ドラムスキャナー)カメラ:Nikon FA + Micro Nikkor 55mm/フィルム:Kodak EktaChrome G100

(NIKON LS-5000ED)

(ドラムスキャナー)カメラ:Nikon FA + Micro Nikkor 55mm/フィルム:Kodak EktaChrome G100

(NIKON LS-5000ED)

パッと見の印象で分かってもらえるように、ドラムスキャナーの方が階調が広く、色が豊かで鮮やか

明暗のコントラストを高めなくても、輪郭がはっきりしているけど繊細です

この比較をする際に、2枚のカラーバランスを極力近づけようとしたのですが、明暗のコントラストを修正しても同じような状態にならず、明暗を同じぐらいにしても発色や全体の絵作りに結構差がありました。

時間がかかるので、敢えて整えることはしなかったのですが、それ抜きにして差は十分に分かってもらえると思います。

実際に自分の気に入った写真でこれだけ差が出るなら、1コマ1万円の価値はあると思ってしまいますが、稼ぎにならない趣味としては、いくらなんでも高すぎると思ってしまいます。

そこで、最新のドラムスキャナーには及ばないものの、民生機であるNikonのスキャナーよりクオリティが高くて安くスキャンできそうな方法を紹介していきます。

ハッセルブラッド FLEXTIGHT X5でスキャンする

はい。あのハッセル(Hasselblad)のスキャナーです。

価格は2,899,000円(税別)なので、300万円越えのモンスタースキャナーです。

こんなものはもちろん買える訳ありませんが、このスキャナーを使ったスキャンを35mmフィルム1コマ600円でスキャンしてくれるお店があります。

https://scanstudiof11.com/

更に1時間3,000円で使用も可能ということで、自分で大量にスキャンする分には、1コマ100円ぐらいになるのではないでしょうか(スキャンスピードは不明です)。

これが完全に本命です。たぶん僕だとドラムスキャナーとの差が分からないのではないでしょうか。

タイのプロラボでスキャンする

ドラムスキャナーにこだわるなら、タイのプロラボ「IQ LAB」を使う手もあります。

アクロバティックな気もしますが、時間に余裕のある方には試してみてもいい手段かなと思います。

このお店は2009年に、上記作例のフィルムをスキャンしてもらったお店ですが、現在ドラムスキャナーを使用しるかは不明です。。

サービスの内容を見る限り、高性能な大型スキャナーがないと対応できそうにないので、新しいドラムスキャナーを使っているかもしれません。

Priceの単位はタイバーツになります(1バーツ=3.5円)

WEB用途だけで良いのなら、最低価格の6MBで問題ないので「15バーツ=52.5円」なので、恐ろしく安いです。

High Resolutionの135フォーマットで、80MBのデータをスキャンした場合でも

125バーツ+(60MB×5バーツ)=425バーツ(1,487円)

日本のプロラボと比較すればかなり現実的な値段です。

とはいえ、やはり本命はハッセルのスキャナーですかね。

試してみたらまたレポりたいと思います。