GR1の故障は持病のようなもので、発売から20年以上経つおじいちゃんとなった今、パーツの耐久性に乏しいGR1を完動品のまま使うことは、ほぼ不可能な状態です。
正直なところGR1は、他の高級コンパクトカメラと比べて壊れやすいと思います。
とはいえ10年以上に渡って使い続けているカメラで、今後もこのカメラを使い続けていきたい所存でありますので、故障時の対応や修理の受付状況などを見ていきたいと思います。
液晶パネル故障
GR1の故障率1番の液晶表示。このパーツは寿命があるようですので、液晶が表示されていても、しばらく使っているとほぼ確実に表示されなくなります。
これがパーツの物理的な故障であれば、現状修理できるお店は、日本ではないと思います。
僕も修理できそうなお店にいくつか相談していみましたが、パーツがないので無理とのことでした。
また液晶故障の原因として、液晶基盤とメイン基盤があり、液晶基盤の接点不良であれば修理は可能なようです。
この方は既存のパーツを再溶着して液晶を修理されています。
また海外でも同様の故障で悩んでいる方が多く、詳しい修理方法が掲載されているサイトがありました。
https://www.ifixit.com/Guide/Ricoh+GR-1+LCD+display+missing+segments+repair/54771
但し、難易度はそれなりに高いとのことですので、機械系の知識がある程度ないと難しいかなと思います。
液晶は映らなくても使える
フィルムのカウンターはどうしようもありませんが、撮影モードはカメラのフォーカス動作とファインダー情報で知ることができます。
GRの撮影モードは「通常撮影」→「遠景モード」→「シングルオートフォーカス」→「スナップモード」の順に設定されます。
液晶以外の撮影モード判別の方法は以下になります。
通常撮影:フォーカスが動きます。ファインダー内は対象物の距離によって、人か山のマークが表示されます。
遠景モード:フォーカスが固定。ファインダー内の情報に山のマークが表示されます。
シングルオートフォーカス:フォーカスが動きます。ファインダー内は対象物の距離によって、人か山のマークが表示されます。
スナップモード:フォーカスが固定。
ファインダー内の情報も全て故障していたら判別ができませんが、どれか1つぐらいは表示されてると思いますので、フォーカス固定の次のモードがオートフォーカスされると覚えておけば良いと思います。
またファインダー情報も全て故障していた場合でも、フォーカスが動くモードに設定しておけば、大きな問題はないでしょう。
というのも、オートフォーカスが動く2つの撮影モードの違いは測光方法で、「シングルオートフォーカス」は中央重点測光、「通常撮影」は平均測光になります。
ただしGR1の中央重点測光は比較的測光範囲が広いようですので、ネガフィルムを使った通常の撮影シチュエーションであれば大差はありません。
モルトの劣化
これは故障というよりメンテンナンスになりますが、amazonなどでモルトを買って貼れば完了です。
本来は中央に穴を開けて、外から何のフィルムが入っているか確認できるのですが、僕はPORTAしか使わないので窓なしにしています。
このように、外から見えませんが問題はないです。
ただ今では型抜きしてくれたモルトも販売されているので、そちらを購入しても良いかと思います。
シャッター故障
これもある程度使うと確実にやってくる故障だと思います。僕もシャッターが故障しているGR1を2台所有しています。
1台はシャッターが切れるけど、シャッター幕が作動せず、写真が写りません。もう1台はオートフォーカスの焦点が合わず、レンズが動きっぱなしになります。
この修理も同じく、国内で対応してくれるお店はないと思います。シャッターケーブルのパーツは販売されているので、直せるものは多いと思うのですが、他の関連部品がなければアウトなので、受け付けていないのかもしれません。
海外では修理を受け付けている
海外のサイトですが、「e-bay」と「Japan Camera Hunter」であれば修理できそうなので、リンクを掲載しておきます。
e-bayはURLが変わってしまうようなので、リンクしない場合は下記キーワードで検索してみてください。
https://www.ebay.ie/
検索ワード:「RICOH GR1 GR1S GR1V NO SHUTTER SERVICE REPAIR」
シャッター故障を直すべきか
シャッター故障が寿命であるなら、コンディションが把握できない中古品を買うより、シャッターを直してもらった方が長く使えるのではないか。
e-bayのお店で修理ができれば、送料込みで2万円程度。修理ができない可能性もありますが、手持ちのGR10が故障したら、3台まとめて出してみたいと思います。
GR1sの解体
直せないと分かっていながら、どのレベルなのかカバーを外してみました。
上部を外しただけですが、液晶は自分で再癒着ならできるかもしれないという感想です。
レンズ部分はパーツはカバ―を外しても辿りつけず、かなりパーツを外す必要があるので、すぐに諦めました。
上部を開けるのは比較的簡単で、フィルム巻き取りの上側のネジを外して、レザー部分の接着を強引に剥がせば取れました。ただ壊れるかもと思いながら引っ張ったので、必要がない方にはオススメしません。
この部分がフックされるようになっているので、外す方は気を付けてください。
またモデルによって構造が若干違うようなので、ご注意ください。
底面はネジを外すだけです。巻き上げ不良なら、ここの清掃で直るものもあるかもしれません。
あと、電池を外して作業しましたが、電気が残っていて「感電→叫ぶ」したので、然るべき作業手順で解体をお愉しみください。
GR1の修理は日本では難民
設定の調整をしてくれるお店はあるようですが、パーツ交換を伴う修理は、日本では難民扱い。受け入れてくれるお店が見つかりません。
高級コンパクトカメラで修理可能なのは、Contax関連(諏訪カメラさん)ぐらいでしょうか。
その他のカメラは世界中から修理依頼を集まられる、英語サイトで情報を探していくしかないようです。
Leica(ライカ)のMini Lux(ミニルックス)なども、海外のサイトでは受け付けていたりします。GR1は高級コンパクトカメラの中では比較的安値で、コンディションが良いものも結構多いですが、早めに修理しておいた方が良い気がしますね。
僕が人柱的に海外に修理依頼しなくてはと、使命感を持った今日でした。
▼台湾のカメラリペア屋さんで修理しましたので、続編を見てください。
リコーGR1 フィルムカメラの修理を受け付けているお店がない。ならば海外に依頼を出そうと以前の修理記事を締めくくりましたが、朗報です。無事に台湾のカメラリペア屋さんで、修理が完了しましたので詳しく紹介します。台湾のカメラ[…]