ポートラはフィルムで写真を撮っている人の中で、最も多くの高い評価を受けているフィルムだと思います。
プロ用のネガフィルムとして発売され、発売当初からフィルム愛好家を含め順調にユーザーを増やしていき、僕もそんなユーザーのひとりです。
以降、十数年に渡り、ほぼポートラ一筋で数百本使い続けているぐらい好きなフィルムです。
ポートラ400/160(PORTRA 400/160)の特徴
カメラ:Richo GR1s
ポートラの特徴は、コダックの特徴と同じく「白の色」もしくは「肌の色」に特徴があります。
コダックはアメリカのブランドなので、白人の肌に色を合わせていて、イエローとブルーが強いです。日本のブランドであるフジフィルムは日本人の肌色に合わせ、レッドが強い傾向があります。
ポートラはそんなコダックの中で、ブルーが強い。つまり白の白さが強調され、爽やかなブルーの色になります。(レッドが弱いので、こってり感のある色味ではない)
色の濃さはありませんが、柔らかく鮮やかな色合い、透明感のある白が特徴と言えるでしょう。
ポートラ400/160(PORTRA 400/160)の作例
レンズ:Ai Micro-nikkor 55mm
まずはポートラらしさが強調された1枚。白の透明感とややイエローよりの色味です。
カメラ:Richo GR1s
もう1枚ポートラらしい色合い。ポートラは晴れの日の描写が派手にならず、上手くまとまります。
(逆に曇りなど色が出ずらい環境だと、かなり地味な映りになります)
カメラ:Richo GR1s
繊細でいて柔らかい色ノリですね。
レンズ:Ai Micro-nikkor 55mm
これはこれまでの写真と比べると光量が弱く、絞りを絞って撮影したこともあり、色の傾向は違います。
写真全体に占める黒の領域が多いこともあり、硬い印象に見えますが、明るい部分はポートラらしい描写だと思います。
カメラ:Richo GR10
これもまたちょっと違う写りです。日陰に強い日差しが差し込んでいるので、はっきりとした描写です。
レンズ:Ai Micro-nikkor 55mm
複雑な光量や色の条件下ですが、上手くまとまっています。
カメラ:Richo GR1s
日陰だとこういう色ノリが物足りない感じになります。少し手振れしている影響もあると思いますが。
注意:そもそもネガフィルムの色って考え方がちょっとおかしい
ネガという名前からお分かりですし、ネガ自体も見ての通りですが、色がありません。色がないものに、設定に沿って色を載せていると考えると分かり易いと思います。
またネガを現像してカメラ屋さんから受け取ったデータは、色補正されています。無補正でお願いしても、データ化する機械によって色が変わります。
つまり、これが絶対的なポートラの色なんてものはなく、「あくまで色の傾向としてこういう特徴があります」ということですので、その点ご理解の上、作例を見てください。
作例から見える特徴
・白がクリアでブルー・イエローより
・立体感がある
・鮮やかで繊細なカラー
・晴れの日のバランスが良く、曇りでは色味が少し物足りない
もちろんレンズや光量の状態によって異なりますが、ここら辺がポートラの特徴だと思います。