SMSL D300/ ROHM社DAC「BD34301EKV」レビュー 音楽的なDAC。でもボーカル域はやや難あり

ROHMフラッグシップDAC「BD34301EKV」を積み、コストパフォーマンスに優れたDAコンバーター「S.M.S.L D300」

DACの市場はシーラスロジック(ES)と旭化成(AKM)の2台ブランドが主力。

どちらも音の傾向としては近しく、ハイレゾ対応の高解像度を売りにしているところがあるので、アナログライクな音が好きな僕としては他のブランドを使ってみたい。

そこでAmazonでの評価も高く、京都発の会社のDACということで興味を持ち「S.M.S.L D300」の購入に至りました。

S.M.S.L D300/ROHM「BD34301EKV」の特徴

 

私の環境

・アンプ

FX AUDIO「FX-98E」or DACアンプとしてONKYO「R-N855(S)」を使用。

「FX-98E」はナチュラルに増音してくれるパワーアンプで、「R-N855(S)」は旭化成製のDACを積んだアンプです、ONKYOの特徴を踏襲した色付けのない音で、(個人的には)やや物足りなさを感じるものです。

※RCAケーブル、電源ケーブルで自分好みに調整はしています。

・スピーカー

サンスイ スピーカー sp-100i

SANSUI 「SP-100i」。サンスイトーンを鳴らせるヘビー級の低音が良く出るスピーカーです。

S.M.S.L D300音質の特徴

アンプ及びDACアンプをどう組み合わせるかで、最終的な出音は変わりますが、音の傾向は以下。

・音の分離が良い

明らかに普及機搭載のDACとはランクが違い、流石フラッグシップクラスのDACというところです。

・解像度は必要十分

ONKYOの普及機レベルに積んである旭化成DACと比べるとランクが上で、必要十分なレベル

・音の鳴り方が音楽的

レコードやサンスイのアンプとまではいかないですが、暖かい音色でありながら、音の分離や解像度が高いです。

楽器ものをメインに聴いている方との相性は良いと思います。

暖色系のマランツといったところでしょうか。

・ボーカルが出ない

ボーカルは引っ込みます。これはスピーカーとの相性もあるとは思うのですが、低音と高音が良く出るのでそこに音量を合わせるとボーカルが弱いです。

・音の厚み

普及機レベルのONKYOやマランツよりは全然厚みがあり、DENONより少し薄い感じです。

・音域が狭い

抜け感はなく、少し狭い帯域で上手く鳴らしている感じです。

・DAP単体の出力が弱い

FX AUDIO「FX-98E」への接続ではスピード感が落ち、あまりに抜け感が悪い。

ということで、S.M.S.L D300→ONKYO「R-N855(S)」→FX AUDIO「FX-98E」と繋ぐことで音の見通しはよくなりました。ただ1台余分に挟むことで音楽性という意味では薄れました。

総合的には

予想に反して、音圧があり、低域高域ともに良く出ます。

ただボーカルが引っ込むのと、抜け感が悪いのでボーカル物を楽しく聴くタイプではなく、現代的ではない楽器をメインにした音源に強いDACだと思います。

例えば昭和の音源は、生楽器・デジタル供に上手く鳴らしますが、現代的なポップスで楽器とデジタルが混じり合う物を聴くとバランスが悪いです。

現代的なエレクトロでウォーミーな物などは、上手く鳴らします。

ということで、聴く音楽のジャンルによって結構旨味がわかれるDAPだと思います。

シーラスロジック、旭化成と比較

フラッグシップのDACで聴き比べたことはないのであれですが、聴くジャンルが広い方は、シーラスロジックや旭化成製のDACで、ケーブルなどで調整した方が良いのではないかと思います。

 

DACではなくDAPとして

DACとして、現代的な音楽への弱みも見えましたが、そもそもDAPとしてDACのポテンシャルを活かしきれていないのではないかと思います。

音域の狭さやボーカルが出ない点など、機器としてグレードが上がればまた印象が変わるのではないかと。

漏電。中華製の問題

しばらくエージングも兼ねてあれこれ聴いていたのですが、恐らく漏電が問題でポップ音が目立ち、アンプが落ちるようになります。

最終的にはONKYOのアンプが壊れてました。。

ということで、やっぱり中華製のリスクありです。やっぱりDAP機器としての作りが良くないと思います。

こればっかりは運ということもありますが、それなりの価格でこのリスクを背負うのは酷です。

なので、そこら辺のリスクで問題起きても問題ない機器の構成で試せる方には良いですが、手放しで高評価できるレベルの機器ではないです。

 

 

造りとしてはシーラスロジック製のフラッグシップDACを積んだ機種の方が良いとのことなので、ジャンル広く聴く方にはシーラスロジックDACでケーブル類で調整した方がいいように思います。

 

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素直に安心できるバーブラウン製で良いのでは?

シーラスロジック、旭化成のDACに続いて有名なのは「バーブラウン」製のDACだと思います。

古くからあるDACでソニー製のCDプレーヤーを使ってきた私にはお馴染みのDACです。

特徴としては元気に鳴るDACで、音楽性はやや薄れるもののボーカルものを楽しく聴くならこのDACと言ってもいいものだと思います。

デジカメで例えるとαシリーズがシーラスロジック。旭化成がキヤノンとニコンの間。ローム製がペンタックスなら、バーブラウンは富士フィルムといったところでしょうか。

かつてもバーブラウン製はボーカルもの、生楽器の鳴らし方では最強で、エレクトロやロックは上手く鳴らせなかったですが、進化したバーブラウンであればそこら辺もクリアできそうな気がします。

更には機器として安心できるイギリスのiFi製となれば、やっぱり万人が選ぶのはこちらのような気がします。

 

 

今回は私を外れ引いたので、レビューとして否定がちになりますが、改めて中華製のリスクと全ジャンル楽しく音楽が聴ける構成というものを考え直すきっかけになりました。

amazonでのオーディオ初心者の方のレビューは本当に参考になりませんし、オーディオに凝った方のリファレンスの音源があまりに古いので、どちらでもない中庸なポジションな自分だと判断が難しいですが、素直にそこそこの鳴らすブランド「iFi」+バーブラウンに行けば良かったのかもと思ったところです。