スペインにあるキリスト教徒の巡礼路である「カミーノ デ サンティアゴ」と並び、参道として世界遺産に認定されている「熊野古道」。
僕にとっては2008年にカミーノを歩いた際、視察に来ていた熊野の観光局長さんと出会い、長らく焦がれていた道ですが2021年にやっとのことでその道を歩いてきました。
カミーノも素晴らしかったですが、熊野古道はまたそれとは違う、神道および日本の世界観や自然が感じられる素晴らしい参道でした。
熊野古道のおすすめコース
熊野古道を歩くにあたりルートに悩むと思いますが、とりあえず最も基本的な「中辺路(なかへち)1泊2日コース」で考えれば間違いないと思います。
王道コースだけありアクセスも便利で見所も満載。
熊野大社に到着した日に近隣の温泉に泊まり、翌日「熊野速玉大社」「那智の滝」の滝を訪れれば充実の2泊3泊コースになります。
熊野古道といえば苔が生えた参道をイメージすると思いますが、上の写真のような道は「熊野本宮大社」や「那智大社(那智の滝)」の周辺に限られ、基本は山道になります。
標高は高くないですが峠をいくつも超えるので、それなりの登山になります。
ルート概要
(前泊)
「紀伊田辺駅」周辺に前泊
(1日目)
→早朝にバス→「滝尻」(ここから山道)→「近露」「野中」で1泊
※近露から1時間ぐらいの「野中」まで無理なく行けるので、翌日を考えると「野中」泊をおすすめします。
(2日目)
→「熊野大社」(お昼過ぎ到着)→バスで温泉地「湯の峰」「渡良瀬」「川湯」で1泊
(3日目)
→新宮市の「熊野速玉大社」「神倉神社」(午前中)→「那智の滝」→帰宅
金曜日に仕事が終わった後に紀伊田辺まで行ければ、1日の有給でなんとかなるルートです。
とはいえ、和歌山への移動は時間がかかるのでプラス1日休んで、「伊勢新宮」に寄って帰れれるぐらいのルート作りの方をおすすめします。
僕がルート作りに使った本は↓こちら。
登山ガイドではないのですが、高低差は載っているので持っていると便利です。
紀伊田辺(前泊)
紀伊田辺はちょっと寂れたノスタルジーがある街。
紀伊田辺駅。この駅が最後のコンビニになるので非常食を調達しておきましょう。
熊野古道(中辺路)1日目
紀伊田辺駅前からバスに乗り「滝尻」へ向かいます。
「滝尻」バス停を降りると観光案内所があります(トイレあり)。
石碑があり気分が高揚してきますね。
参道入口付近にお店があり、コーヒーで一服。
「滝尻王子宮」ここの左手の奥から参道が始まります。
参道に入ってすぐに標識があります。こういった標識がそれなりにあるので、道に迷うことはないと思います。
ここから急な登りが40分ぐらい続くので、行程の中でもハイライト級のきつさ。
焦らず体を慣らしていきましょう。
湿気が強いのでキノコ多し。
押印所もあるので、観光案内所で手帳をもらえると思います。
僕は観光案内所に寄らなかったのですが、早朝行く方は営業時間を要確認です。
ほっこりお地蔵さんに癒されながら、ちょっと開けた道を進みます。
1時間30分ぐらい歩いたところで集落に出ます。このエリアも宿泊施設があるので、時間に余裕がある方はここで前泊もいいでしょう。
田舎の村って感じのところを通過していきます。
最初のランドマーク的な「高原熊野神社」。
「高原」には休憩所があり、自販機もあります。
ここから「近露」まで3時間ほど山道を進みますので、水分補給を忘れずに。
一部舗装された道がありつつも、
基本的にはこういった山道を進みます。
途中小休憩できる場所もあり。
お雛様に癒され、
お地蔵さんにも癒され、
でかいカエルにビビりながら、
山に癒されながら進みます。
王子跡で一息つきつつ、
「近露」に出てくると、視界が開けます。
高原からの峠越えは中々きつかったですが、途中途中に足を止めるようなものがあるといいですね。
バラエティに富んでいて楽しいです。
絶賛コロナ禍だったので、近露で寄りたかったお店が締まっていたりはしましたが、他にもカフェなんかがあります。
1日しか時間が取れない方は、「近露」から熊野大社を目指すと良いと思います。
近露の大きな王子跡。
民宿もあり。
僕は近露から1時間ほどの「野中」エリアに宿をとっていたので更に進みます。
「民宿HAGI」さん。少し値段は高めですが、古民家をリノベしているので綺麗。
そして共有スペースが広く、他の宿泊者と軽く飲みながらあれこれ話せます。
ということで熊野古道歩きの1泊目は終了。
1日目の感想
久し振りの山歩きということ、想像以上に傾斜がきつい箇所があったのでなかなか疲れましたが、道中のバラエティの良さがあり楽しい道のりでした。
湿気の強い道のりは、森に囲まれている感があって、熊野古道を歩いている実感に満ちたものでした。
また休憩も含め「滝尻」~「野中」まで7時間ほどの行程だったので余力もあり、宿での食事・お酒の時間も無理なく楽しめたのが良かったです。
1日目の記事はこれで終了。2日以降は次のページで紹介していきます。